大天井岳、燕岳山行報告
2006年12月29日〜2007年1月1日
中野(記録)
今回の正月山行も結果から言うと時間切れで又敗退です、3年連続です。原因は色々と有ります。トラブル続きでした。燕山荘のテン場に着く迄は順調でしたが。
30日燕山荘のテン場に1時過ぎに着いた時には1張りしかなく、風が強く辺り一面雪の斜面で、張る場所を確認しに小屋に行きました。その斜面か、風を真ともに受ける比較的平坦地かのどちらかでした。当然斜面にしました、がスコップ本体に柄が取り付かない、柄に本体を取付けるチョボが無い、そのチョボで本体を引っ掛ける様に成っているのに無い、取り付かない、取れて無くなっている、無理である。
仕方なく柄の無いウチワの様な本体だけで斜面にステップを切る事にした。全然はかどらない、疲れ果てて整地も適当にしてテントを張ってテントマットをほり込んだ、しかし狭い、テントをピッケルで確保して又スペースを広げた。何とか出来たと安堵した、が中にほり込んだテントマットが無い、どうやら風で飛ばされた様だ、諦めてザックやらツェルトその辺の物を引いてテントの中に飛び込んだ。風が強く寒くて早く暖を取りたかった。取り合えずお湯を確保し、コーヒーを飲んで一息ついた、予定ではこの後、燕岳に登る予定だったがもう4時近くに成っていた、準備しピストンするとしたら1時間半は掛る、5時半になる。何時でも燕岳だったら登れる、風は強いし、時間的にも遅くなるので、大天井岳一本に絞る事にし、明日時間が有れば登る事にした。
一段落したので小屋に大天井岳の情報を聞きに行った、今日は4人組みの1パーティしか入っていなくて、明日は多分4、5パーティーが入るから卜レースは付く、今年は小屋周辺で2m程度あり例年より雪が多いが降雪が無い限り道は解かると言う事だった、ただ時間はピストンで9〜10時間は見た方が良いとの事だった。
テントに帰り食事を作り、ホットウィスキーで身体を暖め、ジフィーズで食事をし、余ったアルファ米と作った水を凍らない様にシュラフの中に入れて寝に入った。暫らくして、何か脚と足が冷たい、『何だこりや』シュラフから飛び出した、水が、漏れている、折り畳み式の水筒から水が漏れていた。タオルを捜し出し拭いたが事遅し羽毛のシュラフ、ピショピショ、靴下も濡れている。
予備の靴下で足の方はOKだが、シュラフの予備は無い、無しよりましだカイロを抱きシュラフに潜り込んだが寒くて寝付かれない、温度計を見るテントの中は−15度よけいに寒さが応える、震えが来て全然寝付かれない。更に時折では無く、絶えず吹き付ける風、それもテントごと持って行かれそうな風、雪は余り降ってはいないようだ。
フライがバタつきうるさいしテント本体も揺れる程強風、最悪だ。ブロックを積まなかった事が悔やまれる。今更どうしょうも無い、後悔する。
時折時間を見る9時、10時、12時、1時、全然数字が進まない。4時起きの6時出の計画だが、3時だもう少し目を瞑って眠る努力しよう。
ハーとして飛び起きた、時間を見る6時だ、もう外はほんのり明るい、しまった明け方寝てしまったのだ。出るのに2時間は掛かる、無理だ10時間だと帰幕が6時だ、日没が4時半、ヘッドランが要るし、降雪、風があれば無理。
気持ちを切替える、遅れついでだから燕岳を取り合えず登り、その後時間まで大天井岳に行く事にする。
朝食を作っている時に解かったのだが、エヤーマットがペッシャンコに成っていた、どうやら小さい穴が開いている様だ。テントマット無し、濡れたシュラフ、穴の空いた役立たずエヤーマット、オマケにテントも飛ばされそうな強風、全然付いていない。
テントを出ると昨日と違い風は殆どない、天気も良さそうだ。
8時5分にテント出、燕岳へ、一旦テントに帰り、9時半に再びテント出、大天井岳へ 出発。
トレースはしっかり付いていた、時間が遅い精か誰も会わず、1時間位した時男性2人女性1人の3人パーティにすれ違った、アタックザックの軽装備、アンザイレンしていた。時間が早いけど多分、大天井岳の帰りだと思い聞いてみた、が途中で引き返したとの事、時間が未だ有るのに、何故だかよく解からない。
暫らくすると先行する男性2人パーティに追いついた、かなりの重荷である、槍か、蝶の方に抜けるの有ろう、輪カンも持っている。岩場が出て来た辺りで時間が掛って戻って来た、荷が重いので無理、他のルートを捜しますと言って開けてくれた。為るほど3級は有る、ザイルが欲しい処だが、荷を軽くする為にテントに置いてきた、迷ったが踏ん切りが付かない、落ちれば下まで行くかも知れない、止めにして先程の2人の後を追った。雪壁を登った様だ、此処もザイルが欲しい処だ、又元の処に戻り、行くしかないとかなり慎重にノーザイルで降りた、怖かった。
又1時間程すると、前方から超軽荷でストックを手にした単独者に会った、如何見てもハイキング風である、先程の岩場を通過した筈だ、もしかすると別ルートが有るかも知れない、帰り調べて見ようと思った。
天気は良く、晴れ時々曇り、風も殆ど無く少し汗ばむ程度のコンディションでトレースもしっかり付いている、時間が有れば問題無く大天井岳に行ける。
只、アップダウンが有るのでやはり9〜10時間は掛りそうだ。12時過ぎくらいを目途に引き返す積りだったので、適当な処2,600m位のピークで大天井岳の小屋が見える辺りでターンした、後1時間半位の行程を残して。帰りも同時間は掛る、登ったり降りたりなので。
途中、ツガイの真っ白なライ鳥に会った、目以外全て白、それも雪と同色の真っ白、完璧な保護色だ、5月のライ鳥は斑模様だがさすが真冬だ、写真を撮った、因みに熊は居なかった。
例の岩場に差し掛かった、やはり冬期用のルートが有った、トンネル状の中に入って行く道で、全然問題無い処だった、見逃していた様だ。2時半位にテン場に到着。後は終わり夕日と初日の出を見て拝むだけ、4時半位なので時間までビールと水作りでくつろぐ。
4時20分位にテントを出小屋に向かう、もう辺りは人だらけ。槍を左手に赤い夕日がユックリ、ユックリと山の端に落ちて行く。06年12月31日、午後4時50分位、何か凄く感動しました、この一年間の出来事が色々と過ぎり、それが夕日と共に沈んで行く、消えて無くなって行く様に思え少しウルウルと来ました。 槍ヶ岳と夕日は凄く印象的で、山の思い出として一生残るくらい感動しました。勿論かなり寒いが風が無く晴れでの好条件に恵まれたと此れは感謝しました。
翌朝、6時40分にテントを出小屋に向かう、昨日と同じ200人近くは居そう(後の情報で当日の小屋の宿泊者数)。朝日なので逆方向、右手に遠く富士山を見、辺りから明るく成って来る。山の端から太陽の頭が見え出した、夕日と違い眩しい、勢いが有る。初日の出は、この一年、更に成った自分が居て、自分らしい生き方出きるか試されている様に思えた。富士山と初日の出此れも又凄く印象的、気象も昨日と変わらず風が無く穏やかな夜明けでした。
この二年に渡る二日間、自分自身の人生を考える有意義な時間を持てた事、此れからの心の糧に成るでしょう。
トラブル続きで大天井岳は登頂出来なかったけど、終わり夕日と初日の出は印象深く、感動的に見ることが出来素晴らしい山行でした。それと今回も結構荷は重たかったが、マイペースで行けたので其れほど疲れなかったが、帰りの中房温泉から宮城のゲート迄の林道(車道)12.4Km、この歩きは長く感じ、往より数多く休憩を取りヘトヘトになって着いて今回の山行は終わりました。
後日エヤーマツトを水に沈めてチェックしましたら、小さな穴が空いていました。冬山テント泊の時は必ず事前に用具のチェックをすべきですね、アイゼンは5月の槍でバラバラに成ったので手入れしたのですが、他はノーチェックでした。行く前は結構忙しく短時間でザックに詰込むのが慣例でした、此れからは時間が掛っても必ずチェックしながら用意をしなくてはと深く反省しました。
記録
29日
宮城ゲート11時30出 − 中房温泉テン場15時30着
30日
中房温泉テン場出7時10分 − 燕山荘テン場13時着
31日
燕山荘テン場8時出 − 燕岳 − テン場9時15分着 テン場9時30分出 −
大天井岳手前2,600m付近12時30分 − 燕山荘テン場14時20分着
1日
燕山荘テン場8時5分出 − 中房温泉10時45分着 中房温泉11時40分出 −
宮城ゲート14時50分着
(中野)
